バレンボイムの「グレート」
シューベルト/交響曲第9番「グレート」
バレンボイム/ベルリンフィル ソニー1985年録音 何処かで聴いたことのあるテンポ、楽器の鳴らせかた。そう、バレさんが敬愛してやまない亡きフルトベングラー/ベルリンフィル(1951年録音)の演奏似である。1楽章など念入りに師よりも約3分も時間をかけている。久しぶりに聴く「グレート」、こういう演奏も良いな、と言うことで他の指揮者はどうかと思って聞き比べてみた。 以下は4種類の演奏時間の比較。バレさん、4人の中では一番たっぷり時間をかけた演奏となっていることが一目瞭然。しかし、である。デービスの1楽章などバレさんに続く長さなのにとても早く感じられる。楽章全体に緩急があるのであまり「遅い」と感じないのだ。バレさんは遅いテンポでほぼインテンポでおしている。従って、とてもゆったり、長く感じられる演奏となっている。それと1楽章の冒頭のホルンの鳴らせ方、ここはみんな特徴があって、ケルテスはウィーンフィルに意外にも野暮ったく吹かせている。フルベンは、木訥に、とでもいおうか、少なくとも「スマート」とは言えない演奏だ。 意外なのはデービスのドレスデンの演奏。あのSKDから非常にスマートな洗練された響きを引き出している。これは「いぶし銀」と形容されるSKDの音のイメージとは異なるのではないだろうか。デービスという指揮者は日本ではいまいちの人気だが実はシベリウスやストラビンスキーの演奏では70年代から80年代にかけて一世風靡していた実力派。 ドイツものでこのくらいの演奏は当然と言えば当然なのだが、ボストン響からも当時ヨーロッパを感じさせる音色を引き出していたことを思い出させる。 バレンボイム/ベルリンフィル 17:54 16:27 15:02 14:08 フルトベングラー/ ベルリンフィル 14:45 17:18 11:16 11:38 イシュトバン・ケルテス/ウィーンフィル 13:32 13:47 11:06 11:45 コリン・デービス/シュターツ・カペル・ドレスデン 16:44 13:54 15:00 16:05 表題に戻るがこの「グレート」、「幻想」につぐバレンボイムBPOのソニー録音第2弾となった演奏だそうだ。フルトヴェングラーBPOの演奏をめざしていることは明らかであるが、やはり聞き比べてみるとフルベンは結構テンポが動くのにバレはそれ程ではない。 やはり目指してもそこに「個性」は出るものだということを改めて感じいった次第。
by classical-clatter
| 2007-10-22 20:26
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