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クラシック音楽 名盤・名録音探しの旅

レヴァインのモーツアルト

UCCG5011
 モーツアルト/交響曲第40,41番 ジェイムズ・レヴァイン/ウィーンフィル
1989年の録音であるから録音されてから、かれこれ20年が経過しているわけである。今頃そんな演奏のレビューもないだろう、というかもしれないが聞いてなければ個人的には新録音である。言い訳とこじつけではあるけれど…
 さて、当時も評判は良かったと記憶している。アーノンクール、ガーディナー、ピノックなどの古楽器によるオーセンティックな演奏が台頭してきた時代にレヴァインは、Vnの第一と第2を対向配置に、楽器編成を小さめにするなどの工夫をし、楽譜通り繰り返している。リピートは成功しているのか、どうか、個人的にはこれはしなくとも、と思わないこともない。やや冗長な感じがするので。アーノンクールのようにウィーンフィルにオーセティツクな演奏を求めず、現代楽器の良さを生かして弦にはブィブラートを利かせた演奏を要求している。テンポもまさに「適当」な早さだ。編成が小さいので音の分離、各楽器のつながり方もよく聞き取ることができ、センスの良さを感じさせてくれる。古楽器のオーセンティックな演奏でよく耳にするティパニーや金管の大暴れありませんからある意味安心して聞けます。しかし、決して刺激が無い、という意味ではありませんので念のため。

日本では、レヴァインのようなアメリカの指揮者はどうしてもメジャーにならない。クラシックはヨーロッパ、という日本人特有の思い込みがなせる技なのだろうか、古くはオーマンデーやストコフスキーなど、あげるときりがない。あのマエストロ/ジョージ・セルだって、70年の大阪万博にもしも来日していなければ評価はどうなっていたか。かのバーンスタインことレニーだってコロンビア・ソニーの時代はマーラーの演奏だけが高く評価され、NYPとのベートーベン全曲は忘れられていた。レニーのベートーベンはヨーロッパに拠点を移し、ウィーンフィルと録音して初めて評価されたのではないか。NYPとのベートーベン全曲だって、少し荒削り感じはするものの若々しいエネルギーが横溢した良い演奏だと思うのだけれど。
ところで、レヴァインはご存じのとおりメトの音楽監督であり続けている。メトのオケで録音したベートーベンの「英雄」だって-あるんですよ、ベートーベン交響曲の正規録音はこれだけですけど-中々ユニークで捨てがたいのに其の存在さえあまり知られていないのではないでしょうか。やはり音楽に限りませんが、妙な固定観念をもって接してはいけないのですよね。
レヴァインのモーツアルト_c0067901_21334955.jpg
by classical-clatter | 2010-03-29 20:33
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